連載:みよし街並み歴史散歩 その17
株式会社 菁文社
弊社が2007年(平成19年)に発刊した「みよし街並み歴史散歩(三次・十日市・八次・酒屋 編)から一コラムづつ連載します。
三次の再発見があるかもしれません。
なお、三次市は周辺町村との合併以後大きく変わりつつあります。発刊時期とのずれがあることはご了承ください。
この「みよし街並み歴史散歩」は、B6判の単行本です。お求めは小社 TEL(0824)62 3057 または 三次市内の書店へご注文ください。
【稲荷社】 横町を西に進むと中通りとのT字型三差路があり、お稲荷さんがあります。現在の鳥居は新しく建て替えられたもので以前は木製の鳥居でした。小さな本殿ですが高く積み上げた台座の上にありました。拝殿は礎石だけとなっています。
延享年中(1744〜48)の勧請ですが、隣の常運寺の境内にあったものを寛政年中(1789〜1801)門外に移したと伝えられています。
【常運寺(じょううんじ)】 厭離(おんり)山常運寺は浄土宗で、寛永10年(1633)、僧休山の開基といわれています。作木町の廃寺清龍寺の本尊阿弥陀如来が安置されているとも伝えられています。
【三次劇場跡】 さらに西に進み左手、常運寺の裏側になりますが、現在は「きょくとう三次第二工場」の表札が掲げられ広場になっている所がありますが、ここが三次劇場のあったところです。
三次劇場は「大西座」と言い、明治22年(1889)創立、以来経営者が変わったり廃業に追い込まれたと思えば、町営で復活したり紆余曲折の歴史がありますが、十日市町(十日市中)の「東座(あずまざ)」と共に、明治・大正・昭和の時代を通して三次地方の芸能の中心として近隣町村を含めて多くの人々に、通称「三劇(さんげき)」として親しまれていたのです。
東京歌舞伎の森田勘弥一座など多くの著名芸能人が来演しましたが、そうした人たちから「間尺に合った良い舞台だ」と定評のあった舞台でした。「活動写真」と言われた無声映画の時代から戦後の映画全盛時代まで映画館も兼ねました。また地元の人々の芸能活動や旧制中学校生・青年達の弁論大会、社会運動の演説会場、中央の政治家を招いての時局講演会、式典行事などなど諸活動の中心だったのです。
また、建物の前は広場になっていて、夏休みのこどものラジオ体操の会場に利用されており、片隅のお稲荷さんの祠などなつかしい思い出です。
しかし時は移りテレビ時代の到来、趣味娯楽の多様化などにより、映画館や劇場の斜陽化の波に抗しきれず廃業の憂き目を見ました。
その後、民間他企業に買い取られ工場になっていたようですが、火災に遭い、建物は消失してしまいました。現在その跡を訪ねてみても当時を偲ぶものは何も見当たりません。
都市は東に伸びるといいます。市制施行後は主要施設が十日市町や酒屋地区に移転し、近世の城下町、近代では郡役所(地方事務所)・税務署・警察署など諸官庁が集中した中心商都だった旧三次町も商店が激減してしまいました。.....なお、三次劇場跡は現在空き地になっています。
・・・つづく
基本情報
名称 | 株式会社 菁文社 |
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フリガナ | 株式会社 菁文社 |
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住所 | 728-0023 三次市東酒屋町306-46 |
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アクセス | 国道375号線三次工業団地口交差点より北へ850m |
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電話番号 | 0824-62-3057 |
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ファックス番号 | 0824-62-5337 |
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メールアドレス | geibigrf62-3057@seibunsha-f.com |
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営業時間 | 8:30~17:30 |
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定休日 | 土・日曜、祝日 |
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駐車場 | あり |
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