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ふるさとの峠と街道 雲石街道(阿井越) その2

株式会社 菁文社

雲伯街道(阿井越)「ふるさとの峠と街道 雲石街道(阿井越) その2」

雲伯街道(阿井越)

「ふるさとの峠と街道」は、第1部 ふるさとの街道、第2部 ふるとさの峠 として2部構成でお届けします。
 第1部「ふるさとの峠」は、昭和54年(1979)5月から「げいびグラフ」誌上に“峠を語る”シリーズとして21回にわたって連載したものです。今では交通機関の多様化とこれに伴う土木技術の発達により大巾な改修がすすみ、峠は旧来の峠としての機能を失って、峠の存在すら忘れ去られています。
   このたび、あえて連載当時の記述に修正を加えることなく取材当時の内容を再掲し峠を歴史の証として伝えることにしました。



【街道編 雲石街道(阿井越) その2】

― 三次から新市 ―



江戸時代、恵蘇郡44カ村はいくつかの組に分かれていたが、現口和町域の8カ村は和久庄(わくのしょう)とか口組(くちぐみ)と呼ばれていた。口というのは、出入り口という意味で、高野山11カ村への出入り口に位置するところから名付けられた地名である。戦前の口北、口南という村名の語源もこれに由来する。
 口和町には湧き水に関係する地名がいくつかある。前掲の和久庄も涌(わ)くの当て字であるし、大字向泉も泉壷(いずみつぼ)といって湧き水の出る所があり、それによって付けられた地名で、もと泉村とか涌村(わくむら)といっていた村である。なお、町内の湯木も涌泉現象から付けられた地名で、元和5年(1619)の「知行帳」には湯気村とある。
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 向泉から北上して宮内に入る。農村地帯には珍しく道を挟んで、何軒かの民家が軒を並べ「街」を形成している。ここはかって三次を起点として高野町新市で、庄原からの出雲路(阿井越)へ合す雲伯路(阿井越)の宿駅の置かれていた所で、江戸時代には8人8匹の人馬が常置されていて、明治時代には官営広島鉱山の運送所が設置されていた所でもある。
 宮内宿を過ぎると、目の前に八国見山が美しい姿をあらわす。双三郡や世羅郡では地名をとって「○○の明神(みょうじん)さん」と呼ばれている山々と、同じ地殻運動で生まれた円錐形の山で、他の山々を睥睨(へいげい)して立っている。備後・出雲・石見・安芸の四カ国と、晴れた日には四国の一部が望見出来るところから合わせて「八国見山」。
 平安時代初めの「延喜式」に載る、恵蘇郡のいわゆる式内社多加意加美(たかおかみ)神社は、現在は向泉に祭られているが、この神社の祭神の高龗神(たかおかみ)は、天から恵みの雨をもたらす竜神で、元は八国見山の山頂に祭られていた神社で、宮内の地名もこの神社の鎮座ましましたところからついた地名。






◆次回は雲石街道(阿井越)その3 を紹介します。




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基本情報

名称株式会社 菁文社
フリガナ株式会社 菁文社
住所728-0023 三次市東酒屋町306-46
アクセス国道375号線三次工業団地口交差点より北へ850m
電話番号0824-62-3057
ファックス番号0824-62-5337
メールアドレスgeibigrf62-3057@seibunsha-f.com
営業時間8:30~17:30
定休日土・日曜、祝日
駐車場あり
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