連載:みよし街並み歴史散歩 その49
株式会社 菁文社
弊社が2007年(平成19年)に発刊した「みよし街並み歴史散歩(三次・十日市・八次・酒屋 編)から一コラムづつ連載します。
三次の再発見があるかもしれません。
なお、三次市は周辺町村との合併以後大きく変わりつつあります。発刊時期とのずれがあることはご了承ください。
この「みよし街並み歴史散歩」は、B6判の単行本です。お求めは小社 TEL(0824)62 3057 または 三次市内の書店へご注文ください。
東酒屋町、西酒屋町を歩く
国道375号が廻神(めぐりかみ)町から東酒屋(ひがしさけや)町へ入る付近は、少し上り坂になっていますが、一部に今も残る旧道を歩くと、ぐねぐねと道は曲がり傾斜も急で、道祖神も残っていて、峠であったことがよくわかります。ここは昔、村峠であると同時に三谿郡(みたにぐん)と三次郡の境峠だったのです。
酒屋地区は十日市町の市街地の南に位置し、比高が約30〜50メートルの低丘陵地帯です。地形は一見複雑に見えますが、水系別にみると、成光(なるみつ)池水系がほとんどをしめています。即ち門田(もんでん)・上本谷(かみほんたに)・下本谷(しもほんたに)地域がこの水系です。東の宗祐(みのすけ)池水系の大東(おおひがし)地域、西の植松(うえまつ)谷水系の末元(すえもと)地域、それに船所(ふねぞ)地区への四水系です。
この地域は20数年前までは水田風景が一面に広がっていましたが、中国自動車道の三次インターチェンジ開設に始まった開発の波が、大きく押し寄せ、工業団地を始め公立病院、運動公園、三次ワイナリー、それにいたるところでの宅地開発、そして最近では奥田元宋・小由女(さゆめ)美術館が開館されるなど、工業、文教、医療、観光施設が数多く進出しています。
これらの開発に伴って発掘された埋蔵文化財も多く、これから紹介する遺跡、史跡の多くが、そうした開発で調査はされましたが、残念ながらその一部を除いて現在では見ることができません。
【松ヶ迫遺跡群(まつがさこいせきぐん)】 国道375号を東から来て工業団地入り口交差点を右に入ると、小高い丘に三次工業団地が見えます。「工業」とはいえ今では流通団地の感じで、運送業を始めその種の企業が多く見られます。この地域の元の地形は馬洗川(ばせんがわ)からの小さな谷が複雑に入り込んだ丘陵地帯でした。工業団地造成のため発掘調査され、旧石器から縄文・弥生・古墳時代にかけての多くの遺跡が発見されました。主な遺跡は各種の墳墓、住居・集落それに須恵器(すえき)の窯跡の一部です。
主な遺跡を紹介すると、
【矢谷古墳(国史跡)】 これは古墳と名づけられていますが、実は弥生時代(約1800年前)の終わりごろの墳墓で、正確には墳丘墓(ふんきゅうぼ)と呼ぶべきでしょう。墳丘の高さ1.5メートル前後で、平面形は全長18.5メートル、幅10〜12の長方形を基本としていますが、長辺側の中央がくびれたようになっているので、一見、前方後方形に見えます。さらに墳丘の隅の4ヵ所が外側に突出する四隅突出型という特異な形をしています。
この四隅突出型墳丘墓(よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ)は、備北・芸北の外、山陰から僅かに北陸地方に分布していますが、現在のところ出土した土器の年代から三次地方で発生したと考えられています。市内では、いままで4ヵ所見つかっていますが、最近では三次市四拾貫町の陣山遺跡(じんやまいせき)が国の史跡に指定されました。ところで、特異な形もさることながら、出てきた遺物から、当時の三次盆地の置かれた政治や文化的な様子がうかがわれます。それは墳墓の周りの溝から葬儀の時に使われたたくさんの土器が出たのです。山陰地方の特色を持つ壷(つぼ)・甕(かめ)・鼓形器台(つづみがたきだい)等の外に、吉備地方(岡山県)で作られた特殊器台(とくしゅきだい)・特殊壷(とくしゅつぼ)と呼ばれる土器です。大型の円筒形の特殊器台の上に乗せられた特殊壷を一対として、墳丘の周辺に10本くらい並べられていました。高さは1.6メートルを超えるものです。このことから日本海側の出雲地方と山陽側の吉備地方の二つの文化が、三次盆地で交じり合っていたことが証明できるのです。
発見当時、土器群は小さな破片でしたが、今は完全に復元され県立歴史民俗資料館(みよし風土記の丘)に展示してあります。墳丘の内部からは11基の墓穴が見つかりました。
その中では、一辺1メートル四方の大型の埋葬施設が中心で、方形の墓穴には板材を組み合わせて作った木棺(もっかん)を納め、中から薄緑色の石で作られた管玉(くだたま)とガラス小玉が見つかっています。この遺跡から弥生時代から古墳時代に移り変わる時期の墓の変化を学ぶことができます。
【写真 矢谷古墳】
◇ ◇ ◇
・・・つづく
基本情報
| 名称 | 株式会社 菁文社 |
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| フリガナ | 株式会社 菁文社 |
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| 住所 | 728-0023 三次市東酒屋町306-46 |
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| アクセス | 国道375号線三次工業団地口交差点より北へ850m |
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| 電話番号 | 0824-62-3057 |
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| ファックス番号 | 0824-62-5337 |
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| メールアドレス | geibigrf62-3057@seibunsha-f.com |
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| 営業時間 | 8:30~17:30 |
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| 定休日 | 土・日曜、祝日 |
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| 駐車場 | あり |
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