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三次の地域情報サイト「まいぷれ」三次市

連載:みよし街並み歴史散歩 その56

株式会社 菁文社

 弊社が2007年(平成19年)に発刊した「みよし街並み歴史散歩(三次・十日市・八次・酒屋 編)から一コラムづつ連載します。
三次の再発見があるかもしれません。
 なお、三次市は周辺町村との合併以後大きく変わりつつあります。発刊時期とのずれがあることはご了承ください。
  この「みよし街並み歴史散歩」は、B6判の単行本です。お求めは小社 TEL(0824)62 3057 または 三次市内の書店へご注文ください。

【水明園・旧熊巳家】 旧街道が国道バイパスから離れ、少し進むと水明園の建物とその裏に大きな石の鳥居が目につきます。
 この鳥居は旧熊巳(くまみ)家の屋敷の中にありました。対岸の畠敷町にある熊野神社の「一の鳥居」と云われ、江戸時代、南畑敷村側からお参りする人たちは、まずこの鳥居をくぐり、それから鳥居ヶ瀬渡しを船で渡り、お宮の前の「二の鳥居」を目指したそうです。
 この鳥居は元禄17年(1704)の建立で、
  備後国三次郡冨田荘畠敷村 若一王子権現華表
とあります。若一王子権現は熊野神社のこと、華表(かひょう)は鳥居の意味。
 ここで熊巳家について述べておきましょう。
 この家は明治以降の日本の地主制度が発展する中で、三次地方の寄生地主(大地主だが農業には従事せず、小作制度を利用して収入を得る)として発展してきた家です。昭和の初年ころには、十日市町の和田家や布野村(町)の中村家とならぶほどの、この地方の大地主になっていました。
職業 ― 会社役員
耕地 ― 田  55ヘクタール
畑  13ヘクタール
合計 68ヘクタール
耕地の所在 ― 双三・比婆・高田三郡の5ヵ町村に散在
小作人  65人
県下の地主ランク   第9位      (『広島県農地改革沿革史』) 
「熊巳の襖(ふすま)の取手は金(きん)で造られているげな」という伝説さえ生まれていたほどです。また現在、県立歴史民俗資料館(みよし風土記の丘)の玄関横の庭園にある巨大な手水鉢(ちょうずばち)は熊巳家にあったものです。戦後は農地改革によって地主制度は解体し、大地主・資産家の熊巳家はなくなりました。昭和25年(1950)、家屋は広島県が買収し、翌年には屋敷を同家が県へ寄贈されました。これらの建物・屋敷をもとにして養老施設の水明園がスタートしたのでした。
 今日、水明園(社会福祉法人水明会)は養護老人ホーム、特別養護老人ホームの施設を経営し、また各種の在宅サービスも手がけ、さらに、さまざまな福祉事業を営んでいます。なおこの種の施設では、この地方で最も古く、平成13年(2001)には創立50年を迎えています。
 水明園のある辺りの旧街道が馬洗川から最も離れた所です。この辺りの小地名を「麻原(あさはら)」といいます。河川が造った自然堤防が基礎地形をなし、水が得にくく水田を開くのが遅れ、畑として麻をたくさん栽培していたのでしょう


【写真 水明園裏の鳥居】

◇   ◇   ◇

・・・つづく

基本情報

名称株式会社 菁文社
フリガナ株式会社 菁文社
住所728-0023 三次市東酒屋町306-46
アクセス国道375号線三次工業団地口交差点より北へ850m
電話番号0824-62-3057
ファックス番号0824-62-5337
メールアドレスgeibigrf62-3057@seibunsha-f.com
営業時間8:30~17:30
定休日土・日曜、祝日
駐車場あり
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